様々なWebサイト構築をご支援してきた弊社ですが、データ解析の領域では、その分野に強みを持つ株式会社プリンシプルと協業してプロジェクトを担当させていただくことがあります。そんなプリンシプル社が主催した「The Principle Week 2024」において、弊社も登壇し、リニューアル戦略と最新トレンドに関するセッションを行いました。本記事では、そのセッション内容をもとに、サイトリニューアルに携わる方々が直面する課題を解決するヒントをお届けします。1.WebサイトリニューアルのプロセスWebサイトリニューアルは、企業のデジタル戦略を強化し、顧客との接点をより効果的なものにする絶好の機会ですが、計画が不十分だと現状よりも悪化してしまうリスクもあります。例えば、デザインの刷新にこだわるあまり、ユーザー行動やビジネス目標を考慮した設計が疎かになると、結果的にSEOのパフォーマンスが低下し、検索エンジンからの流入が減少してしまうことがあります。また、リニューアル後のナビゲーションが複雑になることで、ユーザーが必要な情報にたどり着けなくなり、離脱率が上がるケースも少なくありません。こうした失敗を防ぐには、SEOやUX(ユーザー体験)の観点から現状を正確に把握し、課題を明確化することが重要です。その上で、ユーザーのニーズを的確に捉え、ビジネスゴールに合致した多面的な戦略を立案することで、リニューアルが企業の成長を支える基盤となります。以下では、Webサイトリニューアルを成功に導くための具体的なプロセスをご紹介します。1.1 現状把握まずは現行サイトの課題を可視化することが重要です。例えば、特定のページでユーザーが離脱する原因や、主要な導線が機能しているかどうかを解析します。Googleアナリティクスのデータやヒートマップを活用することで、ユーザー行動をデータに基づいて分析する手法が推奨されます。【キーワードマーケティング調査イメージ】流入数、獲得ワード数などの競合調査や、キーワードボリュームなど市場調査をもとに、狙うべきクエリリストを作成。【サイト内定量調査イメージ】GAとヒートマップを用いて流入からサイト内行動を調査し、ボトルネックを特定。併せて、改善の方向性を検討。1.2 方向性決定次に、リニューアルのゴールを明確にします。「SEOを強化して検索エンジンからの流入を増やす」「ブランドイメージを刷新する」など、具体的な目標設定が重要です。全ての工程がこのゴールに基づいて設計されるため、初期段階で関係者間の合意を形成しておくことが不可欠です。1.3 要件定義現状把握で明らかになった課題と、リニューアルゴールとして設定した理想の状態とのギャップを埋めるためには、具体的な施策を検討し、それをサイトの機能に落とし込むことが重要です。例えば、アクセスが集中するページでユーザー離脱が多い場合、ナビゲーションの改善やFAQページの充実が必要かもしれません。また、SEOの観点から見て検索エンジンでの評価が低い場合には、メタ情報の最適化やコンテンツのリフレッシュが求められることもあります。このように、課題に対する具体的な解決策を洗い出し、それを実現するための必要なシステムや機能を定義することが、リニューアル成功の鍵となります。この段階での細かな検討が、後の開発工程をスムーズに進めるための基盤を形成します。1.4 開発と設定確定した要件に基づき、デザインや開発を進めます。この段階では、GA4(Googleアナリティクス4)の導入やタグ設定を行い、リニューアル後の成果測定に備えます。1.5 成果検証リニューアルが完了した後は、設定したKPIをもとに成果を評価します。たとえば、コンバージョン率や滞在時間の改善が具体的な成果となります。成果を確認した上で、継続的な改善を行い、サイト価値を高めることが重要です。【KPI設計イメージ】カスタマージャーニー上の改善すべき課題や施策から逆算し、追いかけるべきKPIを整理。2. 押さえておくべき最新トレンド近年、デジタル分野における技術革新や法制度の変化に伴い、企業が配慮すべき課題が増えています。特に、ウェブサイトに求められる要件は複雑化しており、これらに適切に対応することが、ユーザーの信頼を得るだけでなく、企業の競争力を維持するためにも欠かせません。例えば、法規制への対応や、多様なユーザーに配慮した設計、さらに効率的な運用を実現するための技術選択が重要なポイントとなります。本セッションでは、2024年に企業担当者が特に配慮すべきトピックを取り上げ、その具体的な対応策をご紹介しました。以下では、それぞれのトピックについて詳しく解説していきます。2.1 アクセシビリティ対応2024年4月から、障害者差別解消法の改正により、これまで民間企業にとって「努力義務」とされていたアクセシビリティへの合理的配慮が「法的義務」となりました。この改正は、Webアクセシビリティをめぐる企業の責任を大きく変えるポイントとなっています。具体的な罰則は現時点では設けられていませんが、虚偽報告や報告の拒否に対する過料の可能性があるほか、社会的責任を果たしていないと見なされることで、ブランドイメージや信頼性の低下につながるリスクもあります。また、アクセシビリティ対応はSDGsの「誰一人取り残さない」という目標にも直結しており、早期に取り組むことで社会的評価を高める効果も期待できます。アクセシビリティ基準としては、国際的に認知されているWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)や、日本産業規格(JIS X 8341-3:2016)が参考にされています。これらの基準に基づき、国や地方公共団体では「AA」レベルの対応が求められ、民間企業は「A」または「AA」を目指すことが推奨されています。実際に取り組む際の主な流れとしては、以下のプロセスが挙げられます。自社が目指す適合レベル(A、AA、AAA)の設定。レベルに基づいた改善点の洗い出し。改善点の改修作業。改修後のアクセシビリティ診断を実施し、適合状況を確認。必要に応じて診断結果や方針を自社サイトで公開。アクセシビリティ対応は単なる法令遵守の一環ではなく、多様なユーザーに対して快適な利用環境を提供するための重要な取り組みです。適切に対応することで、全てのユーザーに使いやすいWebサイトを実現すると同時に、企業としての信頼性を高めることができます。2.2 多言語対応とCookie同意ここ数年、多くの企業サイトでCookie使用に関する同意ポップアップを見かけるようになりました。【Cookie同意バナーイメージ】弊社Webサイトこの背景には、GDPR(EU一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)、そして日本の改正個人情報保護法など、世界各地で個人情報保護に関する規制が強化されてきたことがあります。これらの法令では、ユーザーに対して収集されるデータの種類や使用目的、保存期間を明確に示し、事前に同意を得ることが求められています。これらの規制に違反した場合、企業は多額の罰金や訴訟リスクに直面する可能性があります。例えば、GDPR違反には数百万ユーロ規模の罰金が課されるケースもあり、企業の財務状況やブランドイメージに大きな影響を及ぼすため、適切なデータ保護対策が不可欠です。企業がCookie同意に対応するための基本的な取り組みとしては、以下のような施策が挙げられます。1.Cookieバナーの設置ユーザーがサイトに訪問した際に、Cookieの使用に関するバナーを表示して同意を取得します。この際、「全てのクッキーを許可」「必要なクッキーのみ許可」「カスタマイズ設定」などの選択肢を提供し、ユーザーが自ら選べる形を整えることが重要です。 専用のCookie同意管理ソリューションを活用することが一般的です。2.プライバシーポリシーの明確化ウェブサイトのプライバシーポリシーに、Cookieの使用に関する詳細情報を記載します。この情報は、ユーザーがいつでもアクセスできるようにし、分かりやすい言葉で説明することが推奨されます。多言語対応サイトでは、これらの措置を各言語で適切に実装することが重要です。訪問者がどの地域からアクセスしても、法律を遵守した透明性のある情報提供が求められるためです。これにより、規制対応を行うだけでなく、ユーザーの信頼を高め、安心して利用できるサイト環境を提供することができます。2.3 CMS選定とノーコードツールの活用Webサイトのリニューアル時にしばしば課題となるのが、CMS(コンテンツ管理システム)の選定です。市場には多くの種類のCMSが存在し、それぞれ異なる機能や特性、価格帯を持つため、自社のニーズに最適な選択をするのは容易ではありません。この項目では、CMSの種類や選定のポイント、さらに近年注目されているノーコードツールの活用について解説します。CMS選定のポイントCMSを選ぶ際には、自社の運用体制や目標、求める機能に基づいて検討することが重要です。簡易的な比較表を以下にご用意しましたので、ぜひご参考ください。【CMSの簡易比較】※各サービスの契約プランによっては表記の限りではありません。詳細は各サービスのサイトでご確認ください。※静的CMS/動的CMSの説明は割愛しております。ノーコードツールの活用従来、CMS選定が難航した場合や要件を満たさない場合には、スクラッチ開発を選択することが多く、コストがかさむことが一般的でした。しかし最近では、既存のCMSを活かしつつ、部分的にノーコードツールを導入する方法が注目されています。このアプローチにより、必要な機能を低コストで実現し、担当者自身が運用を始められる利点があります。たとえば、ノーコードツールの「STUDIO」では、カスタムプロキシ機能を活用して既存CMSと連携することで、柔軟なサイト運用が可能です。これにより、既存のCMSはそのまま利用しつつ、特定のページや要素のみをノーコードで構築する選択肢が広がります。(引用元:STUDIO公式ブログ)カスタムプロキシで実現するStudioサイトのサブディレクトリ運用CMS選定やノーコードツールの活用は、リニューアル成功の鍵を握る重要な要素です。自社のニーズやリソースに最適なツールを見極め、スムーズな運用を目指しましょう。まとめWebサイトリニューアルの成功には、現状を的確に分析し、多面的な戦略を立案するプロセスが欠かせません。また、アクセシビリティや法規制への対応、多言語対応の強化など、時代の変化に即した最新トレンドを押さえることも重要です。これらを適切に進めるためには、専門的な視点や技術が求められる場面も少なくありません。ステッチでは、数多くのプロジェクトで培ったノウハウを活かし、リニューアルの計画から運用までをトータルで支援いたします。具体的な課題がある方や、どこから手をつければ良いか迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。私たちが貴社のビジョンを形にするお手伝いをさせていただきます。株式会社プリンシプルについて株式会社プリンシプル「Googleアナリティクス」認定パートナーとして、データ解析を軸にオンライン戦略コンサルティングを行っているデジタルコンサルティングファームです。「データを収益化する」を理念に、データドリブンな戦略立案だけでなく、データ取得基盤の構築、データ可視化ダッシュボードの作成、運用型広告・SEO・LPOなどの集客施策をワンストップで提供しています。