制作チームを社内に持つ当社ステッチは、2025年春にコーポレートサイトをスクラッチ開発からノーコードツール「STUDIO」へ全面移行 しました。「フロントエンドやCMS構築ができる会社が、なぜあえてノーコードへ?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事ではその背景と、導入プロセスで得た示唆を共有します。制作リソースの有無にかかわらず、自社サイト運用のPDCAを速く回したい方はぜひ参考にしてください。1.自社サイト運用で抱えていた課題まず当社のサイトは、記事管理はCMS化(WordPress)していましたが、その他は静的に構築をしていました。そのため、記事以外の更新や改修は原則エンジニアの稼働が必要で、以下のような課題を抱えていました。①クライアントワーク優先でエンジニアが確保できないエンジニアの稼働はクライアント案件優先となりがちで工数の確保ができず、社内運用が後回しになっていました。②PDCAのスピード試してみたい改善施策があったとしても、機能改修=エンジニアの稼働が必要だったため、①の課題もあり、改善案を試しにくい状況にありました。結果として、PDCAを回す頻度が低くなっていました。③サイト仕様が属人化軽微な更新であれば問題ないのですが、機能改修を加える場合は、開発担当者でなければ改修が難しいなどの課題がありました。これらの課題を解消しつつ、デザインクオリティと企業サイトとしてのセキュリティ基準を落とないプラットフォームはないか?この条件に合致したのが ノーコードツール「STUDIO」 でした。2.ノーコードツール「STUDIO」へ移行を踏み切った3つのポイント①Figma ライクなエディタでデザイン再現性が担保できた以前は「ノーコード=テンプレ感が出る」懸念がありました。しかし STUDIO のエディタは ピクセル単位でマージン・パディングを調整でき、カスタムブレイクポイントも登録可能。さらに、 Figmaで利用できるプラグインが存在するため、Figmaで制作したデザインを STUDIO へコピーし再現することが容易に実現できました。デザイナーが管理画面上で細かな調整ができるため、デザインを再現しやすい②ノーコードでもシンプルな運用であれば十分な機能が搭載されたSTUDIO が 2022 年に CMS 2.0 をリリースしたことで、エンジニアがコードを書かずともデータモデルを組めるようになったので、ディレクターだけでCMSの構築・改修をすることができます。また、標準機能でお問い合わせフォームも実装されているほか、多様な外部サービスとの連携やプラグインが可能なため、ある程度の機能要件はノーコードで満たすことができます。もちろん実現できないこともありますが、シンプルな運用であれば十分な機能が搭載されました。管理画面からデータモデルの変更が容易にできる③セキュリティ&ガバナンス要件を SaaS 標準でカバー昨今のWebサイトではセキュリティ対策がマストです。自社サイトはエンジニアが定期的に保守を行っていましたが、STUDIOはTLS証明書/WAF/脆弱性管理を標準で対応。悪質スクリプト制限や不正サイトの自動ブロックを標準で装備しており、セキュリティアップデートも気にする必要がないため、メンテナンスフリーでセキュリティ&ガバナンス要件が満たされた環境を利用することが可能です。結果として「表現の自由度 × 開発生産性 × セキュリティ」の3条件がクリアになり、エンジニアでなければ更新・改修できないコンテンツの公開リードタイムは以前の3分の1を実現しました。3. ノーコード移行による業務への影響ノーコード移行の最大の成果は 「エンジニア工数を温存したまま、自社サイトの改善サイクルを劇的に短縮できた」 点にあります。従来はUI変更や機能追加などあれば、デザイン → 実装 → レビュー → 本番化の手順を踏む必要があり、公開までのリードタイムは3営業日ほど費やすことが多かったです。STUDIOではデザイナー/ディレクターだけで完結するため、その日のうちに改修を終えることも増え、思い付いた施策を「その日に試す」スピード感を獲得しました。また、エンジニアの稼働をクライアントワークへ集中させられるだけでなく、ディレクターからエンジニアへ仕様を説明する時間も短縮できたため、月平均で8時間は自社サイト運用の稼働を削減でき、他の案件に稼働を捻出できるようになりました。結果として、クライアント案件を圧迫せず、自社マーケ施策を小刻みに回せる運用体制が整いました。項目BeforeAfter効果工数削減機能追加=エンジニア工数必須。クライアント案件優先で社内サイト改修が後回し。デザイナー/ディレクターだけで その日のうちに改修。月平均 8 時間の稼働を削減(その分他の案件に稼働を捻出できる)公開までのリードタイム最短3営業日最短1営業日3分の1に短縮(スピーディーにPDCAを回せる)4. ノーコード移行で注意したい落とし穴メリットが多い反面で、移行にあたって注意しておきたいポイントをまとめました。自社で検討される際は、以下を踏まえて移行が現実的かチェックする項目としてご活用ください。既存サイトの機能はノーコードで代替可能かSTUDIO は多くの外部連携サービスがありますが、何でもできるわけではありません。たとえば、ECサイトや会員サイトの構築は現状難しいようです。そのため、基本的にはコーポレートサイトや製品サイト、ブランディングサイト、LP、ポートフォリオサイトなどが向いていると思います。また、非常に細かい点でいえば、記事内の画像にキャプションを入れることができないなど、出来そうなのに意外とできないようなこともあるので、まずはSTUDIOで制作されたサイトを見て検討いただくことをお勧めします。ノーコードでもWebの仕組みを知らないと詰まりやすい社内にWebに詳しい人がいなければ、基本的に初期構築は外部に相談することをお勧めします。STUDIOにはあらかじめ用意されたデザインのテンプレートが存在するため、テキストや画像の差し替えだけでそれなりの形にはできるはずですが、レスポンシブやディレクトリ構造を把握していないと、どうしても表示崩れが発生してしまい、調整に苦労したりすることも多いと思います。また、meta設定やパスの設定なども、知識がなければつまづくポイントがいくつも出てくるはずですので、最初は無理せず、弊社や、その他の支援会社にご相談いただくのが良いと思います。構築後の運用段階になってから、自分たちで運用できる範囲と、外部へ相談する範囲を切り分けて徐々に内製化していくことがおすすめです。会社のセキュリティポリシーを満たしているか自社のセキュリティポリシーを満たしていなければ、そもそも導入は難しいため、事前のチェックが重要です。STUDIOは契約プランによりセキュリティの内容や、サポートが幅広く用意されており、各プランごとの詳細は料金ページから確認ができるほか、導入を検討している企業・団体に向けてセキュリティチェックシートを公開しています。自社のセキュリティポリシーを満たすか確認する際にご活用ください。STUDIO セキュリティチェックシートStudioのセキュリティ対策5.まとめ弊社が自社サイトに求める機能と現在の運用課題が、STUDIOと相性が良かったため、移行したことで、様々な恩恵を受けられました。もしノーコードの導入を検討しておられる企業の方がいらっしゃれば、参考になれば幸いです。ただ、すべての企業にとっての最適解ではありませんので、導入をご検討の際は、様々な選択肢からぜひご検討いただければと思います。ステッチでは、STUDIOを活用したサイト構築に加え、WordPressやMovable Type、フルスクラッチでの開発実績も多数ございます。また、開発後の長期的な運用のご支援や、ガイドライン整備、内製化支援までワンストップでご提供しています。ノーコードに限らず、幅広い選択肢から自社に最適なCMS選定や、運用のご支援などが必要な際は、ぜひお気軽にご相談ください。▶ステッチの制作実績はこちら▶さらに詳しい実績やリニューアルの進め方の例はこちら