採用サイトのリニューアルやコラム記事の更新、社員インタビュー動画……採用広報の打ち手はひと通りやってきたものの、「自社らしさが十分に伝わっていない」「応募前に、もっと会社のことを知ってもらいたい」そう感じている採用担当者・採用広報担当者の方もいるのではないでしょうか。テキストや動画は、多くの企業がすでに取り組んでいる採用広報の定番施策です。その中で、候補者との新たな接点として注目したいのが「音声(ポッドキャスト)」です。ポッドキャストは、配信すればすぐに応募数が増えるような施策ではありません。一方で、社員の人柄や考え方、会社の雰囲気など、求人票や採用サイトだけでは伝えきれない情報を届け、候補者の企業理解を深める手段として活用できます。この記事では、ステッチが自社で運営する対話型ポッドキャスト「ヒトバタラジオ」を例に、音声コンテンツが採用広報にどう活かせるのか、始める際にどのようなことを考えればよいのかを整理します。1. なぜ今、採用広報に「音声」なのか採用サイトや求人票では、事業内容や制度、仕事内容などを分かりやすく伝えることができます。一方で、候補者が知りたいのは、それだけではありません。「実際にどんな人が働いているのか」「どのような考え方を大切にしているのか」「社員同士はどんな雰囲気で話しているのか」こうした「会社の中にいる人」に関する情報も、企業選びの大切な判断材料です。音声では、話している内容だけでなく、声のトーンや話し方、会話のテンポなどもそのまま伝わります。また、一つのテーマについて時間をかけて対話できるため、短い文章や動画だけでは伝えきれない考え方や背景まで掘り下げることができます。さらに、通勤中や作業中などに「ながら聴き」してもらいやすいことも、音声ならではの特徴です。テキストや動画の代わりではなく、それらでは届けにくかった情報を補う手段として、音声は採用広報に活用できる可能性があります。2. 音声コンテンツが採用広報にもたらす効果採用広報に音声コンテンツを取り入れることで、主に次のような効果が期待できます。効果内容社員の人柄や会社の雰囲気を伝えやすい声のトーンや会話の流れから、文章だけでは見えにくい人柄や価値観を伝えられる企業理解を深める接点をつくれる一つのテーマをじっくり話すことで、仕事内容や会社の考え方をより深く知ってもらえるコンテンツ資産として蓄積できる収録した内容を記事やSNSなどに展開することで、一度の収録をさまざまな形で活用できる特に採用においては、「会社を知ってもらうこと」と「そこで働く人を知ってもらうこと」の両方が重要です。ポッドキャストは、応募を直接獲得する広告というよりも、企業に興味を持った候補者にもう一歩深く知ってもらうためのコンテンツとして相性がよいと言えます。また、魅力的な音声コンテンツに触れることが、発信元の企業そのものへの関心につながる可能性も考えられます。メディア視聴や広告効果の調査を行う「Nielsen」が2023年に公開したポッドキャスト広告に関する記事では、ポッドキャスト広告によってブランド認知度が13ポイント向上する可能性があることが示されています。(出典:Nielsen「As podcast advertising grows, brand lift data can help brands demystify the ROI of their spending」)もちろん、これは海外における広告効果についてのデータであり、採用ポッドキャストそのものの効果を示したものではなく、日本の採用市場にそのまま当てはめられるとは限りません。一方で、音声を通じた接触が、発信元の企業やブランドを知るきっかけになり得ることを示す参考材料のひとつと言えるでしょう。3. 実践例:ステッチ「ヒトバタラジオ」の取り組みステッチでは、「ひと、こと、まるく。」をコンセプトに、人事や働くことにまつわるリアルな悩みについて語り合う対話型ポッドキャスト「ヒトバタラジオ」を運営しています。⇒ 「ひと、こと、まるく。ヒトバタラジオ」番組ページ採用が主目的の番組ではありませんが、リスナーからのお便りをもとに、人や働くことについて会話を掘り下げていくという設計には、採用広報で音声コンテンツをつくる際にも活かせるポイントがあります。座組み:社内メンバーが聞き手となり、社外のキャリアコンサルタントなどをゲストに招いて対話する形式を採用しています。異なる立場の人が会話することで、一方的な情報発信にならず、話を掘り下げやすくしています。シリーズ展開:1人のゲストと複数回にわたって話す形式を取り、一つのテーマを短時間でまとめるのではなく、背景や考え方までじっくり掘り下げています。二次活用:収録した内容は要点をまとめてブログ記事化し、テキストでも読めるようにしています。音声を聴かない人にも届けるとともに、一つの収録を複数のコンテンツに展開しています。双方向性:リスナーからの悩み投稿フォームを設け、寄せられた声を今後の配信テーマに活かせる仕組みも用意しています。採用広報でも、「会社が伝えたいこと」だけを発信するのではなく、候補者が知りたいことや、社員自身が普段考えていることを起点にテーマをつくることが重要です。また、音声だけで完結させず、記事やSNS、メルマガや採用サイトなどに展開することで、一度の収録を広報全体のコンテンツ資産として活用できます。4. 音声コンテンツ、何から始めればいいかポッドキャストを始めるために、いきなり本格的な機材やスタジオを揃える必要はありません。まず考えておきたいのは、次の3点です。誰に、何を伝えるのかを決める「採用のためにポッドキャストをやる」だけではテーマが曖昧になってしまいます。候補者にどんなことを知ってもらいたいのかを先に整理します。聞き手・話し手の座組みを考える人事担当者だけでなく、現場社員や若手社員、経営者など、テーマに合わせて出演者を組み合わせます。誰が質問するかによっても、引き出される話は変わります。収録後の二次活用まで設計する音声配信だけで終わらせず、ブログ記事やSNS、メルマガや採用サイトなどにどう展開するかまで考えておくことで、一度の収録をより有効に活用できます。そのうえで大切なのが、「継続できる体制」をつくることです。ポッドキャストは、1回配信しただけで大きな効果が出るものではありません。毎週配信する必要はありませんが、自社で無理なく続けられる頻度や制作体制をあらかじめ考えておくことが重要です。まとめポッドキャストは、直接応募数を増やすための即効性のある施策ではありません。一方で、社員の人柄や考え方、会社の雰囲気など、求人票や採用サイトだけでは伝えきれない情報を届け、候補者の企業理解を深めるための手段として活用できます。また、一度収録した内容を記事やSNSなどに展開すれば、継続的に蓄積できる採用広報のコンテンツ資産にもなります。大切なのは、「ポッドキャストをつくること」そのものを目的にしないことです。採用サイト、社員インタビュー、SNS、動画、音声など、それぞれの特徴を踏まえながら、「誰に、何を、どのように伝えるか」を採用広報全体で設計していく必要があります。ステッチでは、自社でも「ヒトバタラジオ」の企画・制作・運営を行いながら、採用戦略の整理から採用サイト、採用コンテンツの企画・制作まで、企業の採用活動を支援しています。「自社の魅力をうまく発信できていない」「どんな採用コンテンツをつくればよいかわからない」「採用広報を継続的に取り組んでいきたい」そんな課題をお持ちの方は、私たちの採用支援サービス「ヒトハダjinjin」へお気軽にご相談ください。⇒ 採用支援サービス「ヒトハダjinjin」についてはこちらステッチが運営している「ヒトバタラジオ」は、こちらからお聴きいただけます。⇒ 「ひと、こと、まるく。ヒトバタラジオ」を聴く