PROJECT
ココシニア
サービス概要
ココシニアは、高齢者向け住宅施設の紹介を通して、老後の幸せをつくるサービスです。
入居者様それぞれをAIによって深く理解し、適切な介護施設をご紹介。入居後も分析などを行い、充実したサポートを提供しています。
サービスイメージ
AIを用いた施設紹介と、入居後のミスマッチを解消する仕組み
「幸せサポートシステム」のイメージ
特徴
施設選びでもっとも⼤切にされる「雰囲気」を分析してアルゴリズムを構築。
私たちココシニアがアンケート調査を行った結果、親の施設選びをしたことがある⼈がもっとも⼤切にしたのは「施設の雰囲気」でした。
そして、もしもう⼀度親の施設選びをするとしても⼤切にするのも、「施設の雰囲気」との結果になりました。他にも、費⽤や⽴地などさまざまな条件があるにも関わらず、です。施設選びにおける、雰囲気の重要性は学術的にも述べられているのですが(※1)、現在の施設紹介サイトでは雰囲気という観点は重要視されていません。
つまり、現状の施設サイトでは、入居後に長い時間を過ごすにも関わらず、入居者の方に定性的にマッチする施設探しができていないのです。
ココシニアはこの点を社会的な課題であると捉え、実際に施設選びを⾏った⽅の1,000件を超えるデータから、⼊居者さまにもっとも合う施設の雰囲気を分析してアルゴリズムを構築しました。そのアルゴリズムから、⼊居者さまが幸せになる可能性が高い、最適な施設をご紹介します。
分析したデータを元にして、⽼後の幸せにつながる施設をご紹介。
分析したデータから構築したアルゴリズムで、以下の流れで施設をご紹介します。
1.データのインプット
ご検討されている入居者さまに関する、「お住まいの部屋の数」や「趣味」、「 家にいるときの格好」「長く勤めていた職種」などのさまざまな質問をします。
2.AIにモデル「Light GBM」を用いたアルゴリズムでの解析
データをアルゴリズムで解析を行います。
3.結果の提示
解析の結果、ご検討されている入居者さまが幸せになる傾向が高いと想定される施設を提示します。
この「幸せになる傾向が高いと想定される施設」の「正解率」は75%です(※2)。このように、それぞれの入居者さまに本当にあった施設をご紹介することで、ご入居後の幸せな生活にもつなげていきます。
入居決定時と、入居後に幸福感を測るアンケートを実施。
幸福度が上下する要因を分析してレポーティング。
分析データから構築したアルゴリズムを用い、以下の流れで施設をご紹介します。
入居決定時と、入居後2ヶ月後、6ヶ月後に幸福感を測定するアンケートを実施します。(※3)アンケートには、様々な研究結果から幸福感に寄与する要因を抽出して入れ込んであります。「施設のスタッフの笑顔を感じるか」「心配事や愚痴を聞いてあげる人がいるか」「アクティビティへの参加状況」など、さまざまな要素です。
その結果から、幸福度が上がっている要因・下がっている要因を分析して、レポートにまとめ、入居された施設とご家族にお送りいたします。
構築したAIについて
構築は、大きく「情報のインプット」「AIモデル試験実装」「AIモデル選定」で行われました。
1.情報のインプット
まず、AIモデルを構築するために必要な情報を用意しました。今回は、「自分/配偶者の親が高齢者向け住宅施設に入居している/していた40~60代の男女」が対象です。 その対象者に聞く項目を介護施設選びの専門家の方とともに設計し、設計した項目をインターネットで対象者に回答してもらうリサーチを行いました。その結果集まった、1,029件の回答が今回のインプットとなる情報です。
2. AIモデル試験実装
次に、集めた情報を元に、AIモデルを試験実装しました。確率モデルを使う手法、決定木をベースとした手法それぞれを用いていくつかのAIモデルを構築しました。結果、確率モデルを使う手法としては、
「ナイーブベイズ」を採用しました。ナイーブベイズは、データが与えられたときの全ての推定の確率を計算し、最も確率の高いものを推定結果として出力するというシンプルなものですが、従来より、様々なデータに対して安定して良い性能を発揮するモデルとして知られています。その特性から、電車の混雑状況などリアルタイムでの処理や、文書データなど応用先は多岐に渡ります。
決定木をベースとした手法では、「Light GBM」を用いました。LightGBMは決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークで、2016年にリリースされた近年注目度が高いモデルです。
これらのフレームワークをそれぞれベースにしたアルゴリズムのモデルを、インプットデータから作成しました。
3. AIモデル選定
それぞれのアルゴリズムに対して、入力のデータの形式を変更したり、モデルのパラメーターを変更するなどし、いくつかのモデルを作成しました。これらのモデルについて精度比較を行った結果、LightGBを採用することとしました。
ある人物の性質データと入居した施設のデータをペアとして入力し、その人が、「幸せになるか」「不幸になるか」について予測した際、75%で正解することができたなど、総合的に優秀であると判断したため、採用しました。
この正解率は、1,029件のデータを7割がモデル実装用、3割がテストデータ用として、テストデータを予測した際の数値です。